ラグビー観戦記BLOG

代表戦、トップリーグ、大学ラグビー、高校ラグビー、セブンズの観戦記です。

第56回ラグビー大学選手権の振り返り

今年の大学選手権は早稲田大学が11年ぶりに優勝した。45-35。想像できなかった内容とスコアで昨年度のチャンピオン明治大学を下した。早稲田大学、優勝おめでとう。

 

対抗戦の主だった試合、そしてリーグ戦と関西リーグを数試合見て、今期も明治が本命、早稲田、天理、東海、帝京が対抗だと思っていた。対抗戦での早明戦、明治が36-7で勝利した試合。早稲田がいくら攻めてもトライまで結びつかないほど明治のディフェンスは硬くて、中野選手が復帰したとしても大勢には影響しないだろう、1ヶ月くらいで縮まる差ではないな、と思っていた。

 

そして大学選手権。こちらは一通り全試合観戦した。明治は主力のBKを欠いたとはいえ、関西学院大学に22-14。アタックはチグハグで攻めきれない。続く東海大学戦はスタメンが揃って29-10。それでも対抗戦で戦っていた本調子とは思えなかった。

 

対して早稲田大学日本大学相手に57-14。どちらが勝つにせよ接戦かと思っていた天理戦でも52-14の圧勝だった。

 

これはどうなるだろう。明らかに早稲田大学の調子が良い。特にバックスはこれまでにない完成度になっている。明治大学は対抗戦のような戦いができていない。それでも、明治大学が守り勝つかな、くらいに思っていた。

 

蓋を開けると。

 

早稲田が圧倒して前半で31-0。まず、中野選手の復帰は予想以上に大きかった。自分で突破もできる、オフロードパスもうまい。そして、おとりにもできて長田選手が抜ける。斎藤選手のキックの正確性。今日全部決めた? 新しい国立競技場で決勝戦、5万人を超える観客の中、確かな技術と強い心を持っていると思った。あと、再三ブラインドサイドを攻めて、かつそれがトライに結びついて、よく周りが見えていた。戦術でもあったのだと思う。河瀬選手もいつも以上に効いていた。ここ10年くらいで最高のバックスラインなのかもしれない。

 

明治大学は箸本選手が孤軍奮闘。何度もボールキャリーして少しでもゲイン。1本トライを防いだタックルも見事。ただ、バックスはリズムが悪く、みなボールを止まってもらっていた。早稲田のプレッシャーもあったのかもしれないが、何が原因なのだろう。全然ボールを前に運べなかった。

 

後半になってようやく明治大学が息を吹き返した。過去の試合も思い出すと、箸本選手がゲインするか、おとりになってパスして山沢選手が抜けて両WTBが仕留める。というのが基本スタイルだったように思う。それがうまくいかないと思うように点がとれない。ディフェンスは組織立っているが、アタックは割と個人に頼っていた面があったのではと思う。ペネトレーターで箸本選手に頼りすぎで、ちょっと酷だなと思った。

 

後半から調子を上げられた要因の一つが児玉選手の登場だろう。彼が突破役でこれまでにないゲインをするから、山沢選手が生きる。そうすると最後まで仕留められる流れになった。

 

また、後半最初の明治のトライ後のキックの場面。一番端で難しい場所。31点差を追いつこうとするなら、心理的にも5点より7点が絶対に欲しいというプレッシャーの中、よく決めたと思う。斎藤選手同様、山沢選手も技術と心臓が備わった素晴らしいキッカーだと思う。最後のトライのところも難しい角度を決めていて、チームメイトとしてはこれほど心強い存在はないだろう。

 

最後は45-35。31-0からよく追い上げたと思う。ある意味すごい。早稲田としては最初のPG3点がずっと効いていたと思う。明治からすると、どの局面でも3トライ3ゴールでも追いつかない(3点足りない)、2トライ2ゴールでも追いつかない状況になり、心理的に大分きつかったと思う。そういう中、よく追い上げた。さすがは昨年度チャンピオン。

 

早稲田は斎藤・岸岡・中野選手という大駒が1年生からレギュラーを張っていた経験値が生きたのかもしれない。長田・河瀬・古賀選手は試合を見るたび良くなっていき、桑山選手も力強いところを見せてくれた。素晴らしいバックスだ。FWは相良選手が目立っていた。体幹も強いのだろうが、ゲインできるのは初速が早いのだと思う。明治と違って、4,5人が突破役になっていたので明治も的を絞りづらかったかもしれない。

 

私個人は、筑波、明治、早稲田、帝京、法政、同志社あたりが好きなチームなのだけど、数年前、帝京相手にあまりよろしくない発言をしたり、監督の発言・態度などの影響で、早稲田に対して嫌な時期があった。その直後もそういう空気感だったが、1年、また1年たって、徐々に少しずつ、選手も監督も実直で礼儀正しい発言や雰囲気を帯びてきだしたと感じた。そして、今、ようやく実を結んだ。このチームが勝って良かった。このチームが勝って嬉しいと思う。おめでとう。

 

明治も前半のまま終わらず、ファンや後輩に対して明治の誇りを見せられたと思う。次に繋がる戦いだった。準優勝おめでとう。

 

それと余談。去年明治で今年早稲田が優勝して。連覇は難しいなと思ったけど、帝京大学はそれまで9連覇て、改めておかしい偉業だ。今更ながらちょっととんでもないことだ。その帝京大学もこのまま黙っていないだろうし、面子的に期待できるし、大学ラグビー、来期もまた面白くなりそうだ。

第99回全国高校ラグビー大会の振り返り

第99回の花園は春からの大本命、桐蔭学園が優勝した。選抜、7人制、花園で3冠も達成。公式戦無敗。今年は桐蔭学園の年だった。松島世代が同時優勝してから9年ぶりの優勝にして、初の単独優勝。桐蔭学園の試合は全試合見たけれど、ただただ強かった。優勝おめでとう。

 

一人一人の戦術眼、チームとしての意識統一がしっかりとした上で個性が光る。そんなイメージがある。成熟された監督の教育と、最高の素材が噛み合った成果だと思う。他のチームが勝つイメージが湧かなかった。

 

注目は当然ながらSOの伊藤選手。うまいの一言。ランもキックもパスもDFも。そしてキャプテンシー。チームとしての彼の存在感はとても大きかったように思う。対して去年からも注目されていたNo.8の佐藤選手は、ベスト8以降はそこまで湧かせられなかった気がする。相手FWが一番警戒してるため、彼がボールを持つとDFが3人立ってたりするので、仕方ないといえば仕方ないのか。

 

逆に大きなインパクトを与えたのがFW二枚看板のLO青木選手。去年よりさらに力強くなった印象。オフロードパスもうまい。近場でもよく働くし、高校生LOのお手本のような選手。これで2年生だからこわい。

 

そして個人的にずっと気にしていたのはCTBの渡邉選手。この選手もうまい。相手選手の合間をスルッと抜けていくコース取りが抜群。視野が広いから、他の選手より一瞬だけ余裕を持ってプレーできてる感じ。去年は確かFLで、その時もFWとしては小さいけどいい動きするなと思っていた。高校卒業後は海外へ挑戦するらしい。ぜひ頑張ってほしい。

 

さて。では私が応援する東福岡の振り返り。

 

選抜で桐蔭学園に大敗してから、ずっとディフェンス具合を見てきた。以前より詰める時は詰めるし、ちょっとスタイルが変わったのかもしれない。ただ、福岡県大会ではほぼトライをとられていないが、ディフェンスが盤石だったとは言い難い印象があった。相手チームとの力量差を考えればもっと締まっててよいのでは、と。

 

そういう印象のまま花園へ。3回戦で国学院栃木戦。国学院栃木は初戦で報徳に競り勝っていて今期はかなり強い。中盤でゲインはするものの、最後まで取り切れず、アドバンテージ出てないのにギャンブル性の高いキックパスを選択するなど、連携も非常に悪かった。勝てたことだけが収穫だった。

 

そして準決勝で桐蔭学園戦。春の再現だけは避けたいという気持ちで見てた。立ち上がり五分の印象だったがインターセプトからの失点は痛かった。相手の方が格上だから、先制点が欲しかっただけに。ただ、ディフェンスはそこまで悪くなくて、少ないフェイズでとり切られるようなシーンはなかった。逆に春ほどオフェンスも通用できず、こちらはFL井上選手が再三突破してくれるものの、いいところでカウンターラックされる、という流れだった。LOの森山選手もよかったけど、今季はFWで圧倒するチームではなかったので、FWでゴリゴリいくこともできなかった。

 

キャプテンの廣瀬選手は多分本調子ではなかったのだと思う。確か怪我あけだったような。以前のようなキレがなくて、何というか、普通の好プレイヤーという印象だった。その影響もあってか、WTB高本選手にいいボールが回らなくて、BK全体の流れるようなパスワークもあまり見られなかった。

 

これで3年続けて優勝を逃してる。3年連続ベスト4。他チームからすると十分以上の成績かもしれないが、東福岡ファンとしては悔しい。同じチームに年間通して負けるのは悔しい。春からは強くなってる。でも勝てなかった。次こそは優勝目指してほしい。がんばれフェニックス。

選抜での東福岡を見ての感想

第20回全国高校選抜ラグビーフットボール大会は桐蔭学園の三連覇で幕を閉じた。私が応援する東福岡は、その桐蔭学園を相手に過去に例のない大差負け。67-21。ボロ負けである。ショック。一つ前の記事ではあんなに期待していたのに。自分ごとのように動揺した試合だった。

 

さて。振り返り。

 

ベスト8以降は全ての試合を見たが、大差負けしたものの、東福岡が他チームより大きく劣っているとは思えなかった。つまり、個人個人の能力ではなく、戦術で負けたと思っている。

 

そもそも東福岡は例年ディフェンスはそんなによくないと思う。花園を圧勝して優勝した世代も、マイボールの時間が長くなり、比較的ディフェンスの機会が少なかったから失点が少なかっただけだ(とはいえ垣永世代はカチカチだったけど)。

 

東はディフェンスラインを詰めない。尾道東京高校みたいな極端ではなくても、シャローディフェンスをやらない。だから、相手はそこまでプレッシャーを受けずにアタックできる。

 

そして、良いか悪いかは置いておいて、多くの局面で東のタックルは上に行く。ボールに行くとでもいうべきか。手だけでいくことも少なくない。

 

さらに近年はワイドラインを好む。そのせいか、たまに1人1人の間隔が広くなっている時があるように思う。

 

それらが総合して、スコンスコン抜かれてしまったと思っている。もう少し言うと、それは去年から変わっていない。去年の花園も点差こそ少ないが、結構いいように抜かれている。

 

福岡や九州だと、桐蔭学園ほどのチームがないのが痛い。九州内だと、上記のディフェンスシステムで止められるからだ。力でもスピードでも抜かれない。関西圏が羨ましい。

 

でも。藤田監督ならきっと立て直してくれると思う。こんな一意見より何百倍も考えているはずだから。システムに固執しようが戦術を変えようが、どうあってもいいから、花園でリベンジしてほしい。いつも東が優勝するときは春から圧倒しているので、巻き返す力があるところも見せて欲しい。がんばれフェニックス。

第41回木元杯全九州高等学校新人大会を見て

J SPORTSオンデマンドで見たので、準決勝からの感想だが、東福岡強いの一言。近年は成績悪くても全国ベスト4だから毎年強いのだけど、今期はちょっと違って見えた。まず、昨年度と違ってFWが強い。プロップとロックがしっかり縦に強くて、そして7番。井上選手。見た所そんなに身体大きくないんだけど、密集の中からめちゃくちゃゲインする。体幹が強いのか。

 

BKは12番。廣瀬選手。初速が速くて、コース取りもうまくて、身体が強い。思い切りもいい。何だか昨年度よりも良く見える。11番高本選手も強くて速い。高校の時の藤田選手が二人いる感じ。10番15番や控えの選手も艶があって豪華なラインだ。

 

他では、高鍋高校が良かった。FWは小さいけどよく動くし、BKはスピードがあってテンポ良いラグビーをするチーム。東相手に96失点だけど、5位決定戦では、大分一位の大分東明高校を寄せ付けず圧勝。高鍋vs佐賀工業高鍋vs長崎北陽台が見たかった。

 

悲しいのは東福岡以外の福岡県のチーム。少し前までは筑紫を筆頭に、東も接戦していたけど、最近はどこも100点近くとられてしまう。うまくなりたい中学生は、環境も良くてライバルが多くて魅力的なラグビーをする東福岡に行きたいよなぁ。仕方ない話だけど。

 

九州では敵なしだったが、全国の強豪相手にどうなるか。関東の新人大会見る限り、今年も桐蔭学園は相当強かった。関西はまだ見てないから分からないけど、大阪桐蔭はそれなりに面子も残るし、今年も強いだろう。去年の東福岡は桐蔭学園大阪桐蔭に一歩劣るなと思っていたけど、今年は期待したい。選抜が楽しみだ。

第19回高校選抜ラグビーの振り返り

選抜直前の各地方大会を見る限り、今年は大阪桐蔭が抜けていると思っていた。二番手グループが桐蔭、東福岡、近畿勢といった具合に。しかし、結果は桐蔭の優勝に終わる。それも僅差ではない内容だった。大阪桐蔭近畿大会から続く疲労が出たのかもしれない。万全だったらまた違った結果だったように思う。ともあれ、桐蔭学園は選抜二連覇おめでとう。

 

さて予選から振り返ってみよう。

 

Aグループは前評判通り御所が抜けていた。Bグループは流経大柏が勝ち上がったが、北陽台と関大北陽も十分力のあるところを見せた。Cは福岡工業が残念な結果に。Dは桐蔭。Eは春日丘と尾道の因縁の対決あり。Gは大阪桐蔭で、石川を下した高鍋が東京に負ける三つ巴も面白かった。Hも好試合が多かったが報徳が抜けた。

 

さてFグループである。

 

九州大会を見たところ、東福岡は近年よりも力を落としているとはいえ、十分上位を狙える戦力だと思っていた。そうしたら初戦の昌平戦。相手は開催県枠で初出場。控えメンバーで大差かなと思っていたら、いきなり先制トライを奪われる。そのあともチグハグでボールは繋がらない。縦の突破も迫力なく、前に進まない。控え選手が多い? と思ったけど、J SPORTSだとメンバーが分からない。ただ、見聞きする限り、そんなに控え選手ばかりでもなかった。何とか個人技を中心にトライをとって40-7で終える。今年は無理だと思った瞬間だった。次の仰星戦はいいようにやられて、過去最高に点差が開くと思った。秋田工業戦も危ういと。

 

翌日の仰星戦。せめて大差だけは避けたいと思いながら観戦。するとどうだろう。初戦とはうって変わって動きにキレがある。集散も素早く、前にでれて横に繋がる。私の不安は消えていった。仰星は若干弛緩していた気がするも、後半は息を吹き替えし猛追。この時期だから仕方ないのかもしれないが、東は例年に比べてディフェンスがあまりよくなかった。それでも34-20の快勝。去年の花園のリベンジができた。

 

東の12番13番は非常に頼もしかった。宝田選手は12番の方が合ってるのかもしれない。個人的には東の10番は、歴代の加藤・松尾・丸山選手のようなランでも抜けてラインコントロールのうまい選手であってほしいと思う。今季は、意図があるのか単調なパスが多く、相手に読まれまくっていたのが気になった。冬にはいつものよく動くバックスラインが見てみたい。

 

 そして決勝トーナメント。

 

桐蔭対東は40-34だったが、東ファンの私から見ても点差以上の差があったように思う。明確に集散で負けていた。今年のFWはそこまで重たくないのだから、そこでは負けて欲しくなかった。その結果TOもよく食らって、終始桐蔭が余裕を持つことができた。東の光明はオフェンススキルで、あとはディフェンスと少しだけフィジカルが向上すれば、冬は優勝を狙えるチームになると思う。

 

大阪桐蔭と御所は近畿大会からの再戦。前半終了間際、御所がゲームを切ろうとしたが、まだ時間があり継続、そのワンプレイでトライを取られたのが痛かった。あれがなければ、ここ1試合で言えば結果は分からなかったかもしれない。審判に確認しなかったのだろうか。

 

準決勝。大阪桐蔭と天理。天理のフラットパスは冗談抜きで鳥肌が立つ。パスの出してが構えた時に2,3人が走り込みフラットパスでズバンと抜ける。めちゃくちゃ気持ちいい。もうちょっと見たい。違う角度でも見たい。大阪桐蔭でもそれは止められなかったが、フィジカルの差は大きいなと感じた試合でもあった。

 

そして決勝戦。桐蔭はボールを渡さない戦術をとった。ボールを蹴らず、数人でラックサイドを攻めて、テンポよくバックスにボールを渡す。大阪桐蔭相手に後半まで持つのかなと思ったが問題なかった。よく鍛えられているチームだと思ったし、何より、クレバーさ、チームの戦術理解度と言えばよいのか、1人1人が何をすべきかよく分かっているチームだった。監督やコーチがいいんだろう。

 

対して大阪桐蔭は目に見えて疲弊していた。フィジカル勝負でも優位に立てなかったので(負けていた訳ではないが)、良い状態でバックスにボールを渡せなかったのが悔やまれる。ただ、それにしても大阪桐蔭は強かった。決勝こそ負けてしまったが、WTBでさえパンパンの太ももで15人全員が屈強の体を持ち、SOをはじめセンスある選手が揃っていて、FWは言わずもがなの体躯。冬も大本命だと思う。

 

これで今年のAシードは桐蔭、大阪桐蔭、天理(御所)で決まりだろうか。仰星は花園では確実に仕上げてくるだろうし、東もこのままでは終われないはず。あと選抜にはでてないが常翔や京都成章も上位を狙えるチームで、今年は例年以上に混戦な気がする。セブンズやサニックスも楽しみだ。

 

あと余談だが、 昌平は結構強かったのではと思っている。秋田工業に38-5、仰星には61-20。ディフェンスも悪くなく、何人かは強豪相手にも負けないスキルを持っていたし、全体的にとても洗練された印象だった。他グループだったら1勝か2勝できた気もする。応援するチームが一つ増えてしまった。

身体を張らないものの不甲斐無さよ - ラグビー日本代表 スコットランド戦 2016年6月18日

随分前からのことだが、ラグビー協会に大分腹が立っている。エディー時代も大概だが、今回もスコットランドがわざわざ来日してほぼベストメンバーなのにも関わらず、こちらは監督不在だときている。失礼だと思わないのか。選手だけだ、身体を張っているのは。田村選手が言う。「協会にちゃんとして欲しいと、思うのは思うんですよ。でも、それが自分たちのパフォーマンス低下の理由にはならない。僕らはラグビーでしか評価されない」と。

 

13対26。リーチもブロードハーストも田中も山田もいない中で善戦だとは思う。茂野が通じたのは光明だし、金ももう一度見たいと思った。立川にいたっては昨年のW杯から覚醒が止まらない。FWは稲垣、BKは立川が日本の生命線だと思っている。SRのおかげで地力がついてきた、日本ラグビーの底上げができてきた気もしている。

 

ただ、このままだとティア1に勝つのは相当に難しいとも感じた。南アフリカ戦同様、周到な準備と運と相手のコンディションが必要だ。サンウルブズもだが、ラインアウトをどうにかしないと勝負にならないし、ベストメンバーじゃないと、戦力があからさまに落ちるのもネックである。ペネトレーターももう少し欲しい。それとメンタル。

 

「勝てる試合を落としてしまった」

 

10年20年色々なカテゴリーの試合やインタビューを見ているが、選手や監督がそう言っているチームが浮上したことは私の記憶だと一度もない。そのセリフは突き詰めると相手へのリスペクトが足りていないのだ。そして、それを咎めるもののいないチームとしての貧弱さもある。ちなみにエディー時代にはなかった発言だと思う。まぁこのあたりは監督不在の影響もあるだろう。

 

それにつけても選手以外はどうにかしてほしい。

 

私はこのチームが好きだし今後も変わらず応援していく。

選手は文字通り必死に戦っている。だからどうぞ、協会も必死でいてほしい。

ラグビー観戦:帝京大学 vs NECグリーンロケッツ 第52回日本ラグビーフットボール選手権大会

大学選手権6連覇中の帝京大学が、トップリーグNECを相手に真っ向から挑み、31-25で勝利した。

ラインアウトが安定せず、殆どボールを奪われるリズムの悪い展開だったが、そこから崩れることなく、DFで身体をはり、勝利をもぎとった。接点でおよそ五分だったことも要因だが、戦術、相手チームの研究、選手交代などなど、トップリーグ相手に勝つための準備が垣間見えた試合だった。

松田、流はもちろんだが、一年生の尾崎も良かった。195cm125kgのナドロに正面からタックルに入って止めたシーンが個人的ハイライト。そのナドロの裏を狙って蹴る戦術もはまっていた。

対するNECは、早い時間帯のラトゥ一発でトライがとれて、僅かに気が緩んだのかもしれない。田村のキックパスからトライしたシーンは見事だったが、その後は、トライできそうな雰囲気はなかった。ボールが止まるとゲイン出来ないため、キックを多用することになり、結果帝京の攻める時間帯が続いた。何が何でも帝京に勝つ、恥も外聞もない、というモチベーションだったら。露骨なラトゥ&ナドロ&FWの近場勝負で勝てたかもしれない。

ハイタックルは多少仕方ない面はあるが、NECの意図的なラフプレーや高圧的な態度はいただけない。しかも学生相手に。ワンシーンではなく、幾つも見られて非常に残念だった。NEC公式サイトのレポートを読んでも、正直負けるべくして負けてしまった印象を受ける。個人的な感想だが、チームのメンタリティというものは確かにあって、選手のプレーと、関係者がインタビューなどで語る言葉の質はとても似ていると思う。(NECのことを直接的に言ってる訳ではないが)監督やコーチが大口で語り、真摯さが足りないチームは、間違いなく王者になれない。パナソニック帝京大学、東福岡。今季圧倒的な力で優勝したチームへのインタビューを見れば、その違いは一目瞭然だ。

一部の選手に腹立ったのでつい。

さて。試合の最後の最後のシーン。ゴールライン中央前でNECがペナルティをとられ、ほぼ試合が決したあの瞬間。通常ならタッチラインに蹴り出して試合を終わらせるが、中央の位置なので、タッチラインに蹴るか、ゴールを狙うか、あるいはデッドボールラインを超えるように蹴るか考えたと思う。その選択の結果、ゴールを狙うのは間違っていないと思うが、タッチラインに蹴って届かず試合が継続するよりも、ゴールポストに跳ね返って試合が継続する可能性の方が高そうだとも思っていた。その時、帝京のベンチから、多分選手だったと思うが、「跳ね返り!跳ね返り!」と大きな声で注意を促された。ゴール正面だし、キックの精度の高い松田だし、ゴールポストに当たる可能性は相当低く、野暮なこととは思っていたが、そういう声が出るチームはそりゃ強いよなぁと思った。

翌週は東芝。さすがに厳しいとは思うが、善戦を祈る。