いとうのラグビー観戦記

代表戦、トップリーグ、大学ラグビー、高校ラグビー、セブンズの観戦記です。

第19回高校選抜ラグビーの振り返り

選抜直前の各地方大会を見る限り、今年は大阪桐蔭が抜けていると思っていた。二番手グループが桐蔭、東福岡、近畿勢といった具合に。しかし、結果は桐蔭の優勝に終わる。それも僅差ではない内容だった。大阪桐蔭近畿大会から続く疲労が出たのかもしれない。万全だったらまた違った結果だったように思う。ともあれ、桐蔭学園は選抜二連覇おめでとう。

 

さて予選から振り返ってみよう。

 

Aグループは前評判通り御所が抜けていた。Bグループは流経大柏が勝ち上がったが、北陽台と関大北陽も十分力のあるところを見せた。Cは福岡工業が残念な結果に。Dは桐蔭。Eは春日丘と尾道の因縁の対決あり。Gは大阪桐蔭で、石川を下した高鍋が東京に負ける三つ巴も面白かった。Hも好試合が多かったが報徳が抜けた。

 

さてFグループである。

 

九州大会を見たところ、東福岡は近年よりも力を落としているとはいえ、十分上位を狙える戦力だと思っていた。そうしたら初戦の昌平戦。相手は開催県枠で初出場。控えメンバーで大差かなと思っていたら、いきなり先制トライを奪われる。そのあともチグハグでボールは繋がらない。縦の突破も迫力なく、前に進まない。控え選手が多い? と思ったけど、J SPORTSだとメンバーが分からない。ただ、見聞きする限り、そんなに控え選手ばかりでもなかった。何とか個人技を中心にトライをとって40-7で終える。今年は無理だと思った瞬間だった。次の仰星戦はいいようにやられて、過去最高に点差が開くと思った。秋田工業戦も危ういと。

 

翌日の仰星戦。せめて大差だけは避けたいと思いながら観戦。するとどうだろう。初戦とはうって変わって動きにキレがある。集散も素早く、前にでれて横に繋がる。私の不安は消えていった。仰星は若干弛緩していた気がするも、後半は息を吹き替えし猛追。この時期だから仕方ないのかもしれないが、東は例年に比べてディフェンスがあまりよくなかった。それでも34-20の快勝。去年の花園のリベンジができた。

 

東の12番13番は非常に頼もしかった。宝田選手は12番の方が合ってるのかもしれない。個人的には東の10番は、歴代の加藤・松尾・丸山選手のようなランでも抜けてラインコントロールのうまい選手であってほしいと思う。今季は、意図があるのか単調なパスが多く、相手に読まれまくっていたのが気になった。冬にはいつものよく動くバックスラインが見てみたい。

 

 そして決勝トーナメント。

 

桐蔭対東は40-34だったが、東ファンの私から見ても点差以上の差があったように思う。明確に集散で負けていた。今年のFWはそこまで重たくないのだから、そこでは負けて欲しくなかった。その結果TOもよく食らって、終始桐蔭が余裕を持つことができた。東の光明はオフェンススキルで、あとはディフェンスと少しだけフィジカルが向上すれば、冬は優勝を狙えるチームになると思う。

 

大阪桐蔭と御所は近畿大会からの再戦。前半終了間際、御所がゲームを切ろうとしたが、まだ時間があり継続、そのワンプレイでトライを取られたのが痛かった。あれがなければ、ここ1試合で言えば結果は分からなかったかもしれない。審判に確認しなかったのだろうか。

 

準決勝。大阪桐蔭と天理。天理のフラットパスは冗談抜きで鳥肌が立つ。パスの出してが構えた時に2,3人が走り込みフラットパスでズバンと抜ける。めちゃくちゃ気持ちいい。もうちょっと見たい。違う角度でも見たい。大阪桐蔭でもそれは止められなかったが、フィジカルの差は大きいなと感じた試合でもあった。

 

そして決勝戦。桐蔭はボールを渡さない戦術をとった。ボールを蹴らず、数人でラックサイドを攻めて、テンポよくバックスにボールを渡す。大阪桐蔭相手に後半まで持つのかなと思ったが問題なかった。よく鍛えられているチームだと思ったし、何より、クレバーさ、チームの戦術理解度と言えばよいのか、1人1人が何をすべきかよく分かっているチームだった。監督やコーチがいいんだろう。

 

対して大阪桐蔭は目に見えて疲弊していた。フィジカル勝負でも優位に立てなかったので(負けていた訳ではないが)、良い状態でバックスにボールを渡せなかったのが悔やまれる。ただ、それにしても大阪桐蔭は強かった。決勝こそ負けてしまったが、WTBでさえパンパンの太ももで15人全員が屈強の体を持ち、SOをはじめセンスある選手が揃っていて、FWは言わずもがなの体躯。冬も大本命だと思う。

 

これで今年のAシードは桐蔭、大阪桐蔭、天理(御所)で決まりだろうか。仰星は花園では確実に仕上げてくるだろうし、東もこのままでは終われないはず。あと選抜にはでてないが常翔や京都成章も上位を狙えるチームで、今年は例年以上に混戦な気がする。セブンズやサニックスも楽しみだ。

 

あと余談だが、 昌平は結構強かったのではと思っている。秋田工業に38-5、仰星には61-20。ディフェンスも悪くなく、何人かは強豪相手にも負けないスキルを持っていたし、全体的にとても洗練された印象だった。他グループだったら1勝か2勝できた気もする。応援するチームが一つ増えてしまった。

身体を張らないものの不甲斐無さよ - ラグビー日本代表 スコットランド戦 2016年6月18日

随分前からのことだが、ラグビー協会に大分腹が立っている。エディー時代も大概だが、今回もスコットランドがわざわざ来日してほぼベストメンバーなのにも関わらず、こちらは監督不在だときている。失礼だと思わないのか。選手だけだ、身体を張っているのは。田村選手が言う。「協会にちゃんとして欲しいと、思うのは思うんですよ。でも、それが自分たちのパフォーマンス低下の理由にはならない。僕らはラグビーでしか評価されない」と。

 

13対26。リーチもブロードハーストも田中も山田もいない中で善戦だとは思う。茂野が通じたのは光明だし、金ももう一度見たいと思った。立川にいたっては昨年のW杯から覚醒が止まらない。FWは稲垣、BKは立川が日本の生命線だと思っている。SRのおかげで地力がついてきた、日本ラグビーの底上げができてきた気もしている。

 

ただ、このままだとティア1に勝つのは相当に難しいとも感じた。南アフリカ戦同様、周到な準備と運と相手のコンディションが必要だ。サンウルブズもだが、ラインアウトをどうにかしないと勝負にならないし、ベストメンバーじゃないと、戦力があからさまに落ちるのもネックである。ペネトレーターももう少し欲しい。それとメンタル。

 

「勝てる試合を落としてしまった」

 

10年20年色々なカテゴリーの試合やインタビューを見ているが、選手や監督がそう言っているチームが浮上したことは私の記憶だと一度もない。そのセリフは突き詰めると相手へのリスペクトが足りていないのだ。そして、それを咎めるもののいないチームとしての貧弱さもある。ちなみにエディー時代にはなかった発言だと思う。まぁこのあたりは監督不在の影響もあるだろう。

 

それにつけても選手以外はどうにかしてほしい。

 

私はこのチームが好きだし今後も変わらず応援していく。

選手は文字通り必死に戦っている。だからどうぞ、協会も必死でいてほしい。

ラグビー観戦:帝京大学 vs NECグリーンロケッツ 第52回日本ラグビーフットボール選手権大会

大学選手権6連覇中の帝京大学が、トップリーグNECを相手に真っ向から挑み、31-25で勝利した。

ラインアウトが安定せず、殆どボールを奪われるリズムの悪い展開だったが、そこから崩れることなく、DFで身体をはり、勝利をもぎとった。接点でおよそ五分だったことも要因だが、戦術、相手チームの研究、選手交代などなど、トップリーグ相手に勝つための準備が垣間見えた試合だった。

松田、流はもちろんだが、一年生の尾崎も良かった。195cm125kgのナドロに正面からタックルに入って止めたシーンが個人的ハイライト。そのナドロの裏を狙って蹴る戦術もはまっていた。

対するNECは、早い時間帯のラトゥ一発でトライがとれて、僅かに気が緩んだのかもしれない。田村のキックパスからトライしたシーンは見事だったが、その後は、トライできそうな雰囲気はなかった。ボールが止まるとゲイン出来ないため、キックを多用することになり、結果帝京の攻める時間帯が続いた。何が何でも帝京に勝つ、恥も外聞もない、というモチベーションだったら。露骨なラトゥ&ナドロ&FWの近場勝負で勝てたかもしれない。

ハイタックルは多少仕方ない面はあるが、NECの意図的なラフプレーや高圧的な態度はいただけない。しかも学生相手に。ワンシーンではなく、幾つも見られて非常に残念だった。NEC公式サイトのレポートを読んでも、正直負けるべくして負けてしまった印象を受ける。個人的な感想だが、チームのメンタリティというものは確かにあって、選手のプレーと、関係者がインタビューなどで語る言葉の質はとても似ていると思う。(NECのことを直接的に言ってる訳ではないが)監督やコーチが大口で語り、真摯さが足りないチームは、間違いなく王者になれない。パナソニック帝京大学、東福岡。今季圧倒的な力で優勝したチームへのインタビューを見れば、その違いは一目瞭然だ。

一部の選手に腹立ったのでつい。

さて。試合の最後の最後のシーン。ゴールライン中央前でNECがペナルティをとられ、ほぼ試合が決したあの瞬間。通常ならタッチラインに蹴り出して試合を終わらせるが、中央の位置なので、タッチラインに蹴るか、ゴールを狙うか、あるいはデッドボールラインを超えるように蹴るか考えたと思う。その選択の結果、ゴールを狙うのは間違っていないと思うが、タッチラインに蹴って届かず試合が継続するよりも、ゴールポストに跳ね返って試合が継続する可能性の方が高そうだとも思っていた。その時、帝京のベンチから、多分選手だったと思うが、「跳ね返り!跳ね返り!」と大きな声で注意を促された。ゴール正面だし、キックの精度の高い松田だし、ゴールポストに当たる可能性は相当低く、野暮なこととは思っていたが、そういう声が出るチームはそりゃ強いよなぁと思った。

翌週は東芝。さすがに厳しいとは思うが、善戦を祈る。

ラグビー観戦:帝京大学 vs 筑波大学 第51回全国大学ラグビー選手権大会決勝

大学選手権決勝は、50対7の圧勝で幕を閉じた。帝京大学はこれで六連覇である。もはや悔しさもなく、素直に賞賛したいと思った試合だった。

序盤から筑波が得意とするブレイクダウンで勝負をかけ、そのほとんどの局面で競り勝った帝京大学ターンオーバーやリスタートからの速攻でトライを奪うという、FWのゴリ押しに頼ることのない至極スマートなラグビーを終止続けていた。

FW1人当たり10kg重い上に集散が早いともなれば、筑波に対応できる手段はほとんどなかった。筑波側が早くポイントに入っていても、帝京は二人で固まってめくってくる。占部とか本当に良い選手なんだけど、対面との20kg差はデカすぎる。

帝京は後半からどんどん選手を入れ替え、そのリザーブが活躍する好循環。控えに姫野、飯野、徳永、重がいる層の厚さよ。筑波に少し分けてほしい。対する筑波は、前半早々から松下キャプテンが怪我で退くと、そのあとすぐにSHも木村に交代。吉沢は怪我あけだったから、その影響なのか戦術的な交代なのかはちょっとよく分からなかった。後半になって竹中も出てきたが、WTBにまでボールが回ってくる機会もほとんどなく、采配にまで差が出た形となった。

来季もこの強さが続くのであれば、他大学はどう戦えばいいんだろう。二連覇あたりの帝京がやっていたFWでの近場勝負で時間をつぶす戦術とか? それでも帝京のFWに勝てるFWがいる大学は思いつかない。対抗の筆頭としてはどこだ。早稲田、筑波、東海は面子的に今年より厳しい気がする。慶応はどうか。長い目で見ればここが上がってくる気もしている。後は関西勢。特に天理。ただ、どこにせよ、帝京とは1年で差がうまるとは到底思えない。数年スパンで帝京に勝つプランを立てたチームだけが、唯一戦える相手になりそうだ。あるいは帝京Bだね。

上手くなりたい、強くなりたいと思う才能のある高校生が集まり、食事管理も含めどこよりも優れた環境で練習して、謙虚で相手を敬う姿勢を持ち、魅力的なラグビーで勝ち続ける。そして、それを見た高校生がまた集まってくる。

どうしよう。どうなるんだ大学ラグビー。見所は日本選手権だけ、という日が来ないことを願う。

ラグビー観戦:東福岡 vs 御所実 第94回全国高校ラグビー大会決勝

東福岡がただただ強かった。FWは接点が強く集散も早い。BKも体幹が強い上、展開力決定力は半端ない。BK一人一人がエース級で、他所のチームにいれば、御所の竹山くらい騒がれていたのではと思う。また、選抜ではどのチームからもモールで何度もやられていたけれど、しっかり対応してきたあたりはさすがの一言。

対する御所は、ちょっと動きがよくなかった気がする。多分連戦での疲労があったのと、前半の早い時間帯で立て続けに崩されてトライされて、気持ちがきれたのではと思われる。準々決勝とかで当たっていれば、また違った試合展開だったとも思う。

FW中心の佐賀工、シャローの尾道、ライバルの仰星、対抗の御所を破り、文句のつけようがない優勝。今季の東福岡相手に真っ向勝負できる相手はどこにもいなかった。唯一勝てそうな戦術としては、尾道がとった徹底的なシャローディフェンスとモールが正解だったと思う。ただそれでも、途中から裏に蹴られて体力を削られ、最後の15分で突き放されてしまったが。得点差だけでいえば、慶応がひょっとしたら一番僅差での試合になったような気もする。御所はどうしてシャローディフェンスをしなかったんだろう。準決勝の尾道戦を参考に、似た戦い方をするのだと思っていたけれど。

しかし、今季は強かったなぁ。強いだけでなく、見ていて楽しいし、ワクワクするラグビーをしてくれた。近年では垣永世代が最強だったと思っているけど、BKの差で今季の方が強そうだ。FWはゴリ押しされて何本かやられそうだけど。

福岡に目を向けると。花園でも大差で圧勝してくれたので、小倉や修猷館も応援している私としてはちょっと救われた。今年も各高校がんばって。母校はベスト8目指して特にがんばれ。

ラグビー観戦:筑波大学 vs 東海大学 全国大学選手権 準決勝

17-16の逆転勝利で筑波が決勝に進出。最後の10分までは完全に負けたと思っていたが、東海の足が止まった時間帯で、うまく繋げて逆転してくれた。

セットプレイとFWの近場で勝負して、無理せずDGで三点を積み重ねる、という東海の戦術はハマっていたように思う。セットプレイで絡めるから、接点でも反則気味で思い切りいけるし、特に4番5番のリーチの長さはイヤなものだった。藤田もタックルがいい。

筑波はスクラムで負けて、ターンオーバーもされまくって、BKもうまく機能しなくて、ボールロスト多くて、これが負け試合という内容だった。最後の5分、東海の圧力が甘くなったところで息を吹き返して逆転できたが、この内容だったら、決勝はまず勝てないだろうね。。試合開始からあのテンポでやれれば可能性あるけれど。SH、好きな選手だが、このくらいのレベルだとどうしても見劣りする。タックルはいいんだけど。

決勝の相手は帝京大学。準決勝の試合を見る限り、スクラムは東海ほどではないのかもしれない。それでも劣勢には違いないが。怪我人が間に合えばいいけど、多分厳しいんだろうな。あと一試合がんばれ、筑波。

ラグビー観戦:大学選手権予選第三週から花園三回戦まで

年末からスマホ片手に合間合間で試合を見てる。印象をダイジェストで。

筑波強い。対抗戦での試合が別チームのよう。次の東海戦もいけると思う。早稲田は残念だった。筑波が化けたように、どこかで覚醒すると思ったんだけど。しかし、筑波が帝京に勝てるかはやっぱりちょっと微妙。それでも2年前の決勝よりかはチャンスあると思う。

花園。まさかのAシード國學院栃木が初戦敗退。集中していた大分舞鶴と、最初のトライを防がれたりと、どこか弛緩していた国栃。ただ、油断などしていなくても順当に大分が勝っていたようにも思う。余談だが、試合前にコーチが大口たたくチームは必ずと言っていいほど勝ててないよね。あと言いたくないけど、試合後に審判や相手チームへの挨拶がないのはあまり気持ちよくないです。

東福岡の初戦と三回戦を見る。大差がついたものの、失トライが少し目立つ。調子がよい時のリズム感には及ばず、個の力で打開しているようにも見えた。まぁそれでも十分強いけど。

慶応と御所は手に汗握る試合展開だった。レフリングに疑問があったけれど、両チーム持ち味を出せていい試合だったと思う。今季の御所の試合を初めてじっくり見たけど、タレントが揃ってるから展開ラグビーなのかと思いきや、モールとエース戦術だったのがちょっと意外。あとどうでもいい話で、私独自の理論で御所が勝つと思っていたら、ほんとにそうなった(戦前予想では御所有利だった気もするのでおかしい話ではないんだけど)。そのあたりのトンデモ理論はまたどこかで。

準決勝の組み合わせで東と仰星になってしまった。決勝で見たかったけれどクジなので仕方ない。久我山は評価よくない時ほどベスト8に入る印象。尾道がベスト4に残るといいなぁ。ということで、明日からもまたしばらくラグビー浸け。東福岡と筑波がんばれ。