ラグビー観戦記BLOG

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第99回全国高校ラグビー大会の振り返り

第99回の花園は春からの大本命、桐蔭学園が優勝した。選抜、7人制、花園で3冠も達成。公式戦無敗。今年は桐蔭学園の年だった。松島世代が同時優勝してから9年ぶりの優勝にして、初の単独優勝。桐蔭学園の試合は全試合見たけれど、ただただ強かった。優勝おめでとう。

 

一人一人の戦術眼、チームとしての意識統一がしっかりとした上で個性が光る。そんなイメージがある。成熟された監督の教育と、最高の素材が噛み合った成果だと思う。他のチームが勝つイメージが湧かなかった。

 

注目は当然ながらSOの伊藤選手。うまいの一言。ランもキックもパスもDFも。そしてキャプテンシー。チームとしての彼の存在感はとても大きかったように思う。対して去年からも注目されていたNo.8の佐藤選手は、ベスト8以降はそこまで湧かせられなかった気がする。相手FWが一番警戒してるため、彼がボールを持つとDFが3人立ってたりするので、仕方ないといえば仕方ないのか。

 

逆に大きなインパクトを与えたのがFW二枚看板のLO青木選手。去年よりさらに力強くなった印象。オフロードパスもうまい。近場でもよく働くし、高校生LOのお手本のような選手。これで2年生だからこわい。

 

そして個人的にずっと気にしていたのはCTBの渡邉選手。この選手もうまい。相手選手の合間をスルッと抜けていくコース取りが抜群。視野が広いから、他の選手より一瞬だけ余裕を持ってプレーできてる感じ。去年は確かFLで、その時もFWとしては小さいけどいい動きするなと思っていた。高校卒業後は海外へ挑戦するらしい。ぜひ頑張ってほしい。

 

さて。では私が応援する東福岡の振り返り。

 

選抜で桐蔭学園に大敗してから、ずっとディフェンス具合を見てきた。以前より詰める時は詰めるし、ちょっとスタイルが変わったのかもしれない。ただ、福岡県大会ではほぼトライをとられていないが、ディフェンスが盤石だったとは言い難い印象があった。相手チームとの力量差を考えればもっと締まっててよいのでは、と。

 

そういう印象のまま花園へ。3回戦で国学院栃木戦。国学院栃木は初戦で報徳に競り勝っていて今期はかなり強い。中盤でゲインはするものの、最後まで取り切れず、アドバンテージ出てないのにギャンブル性の高いキックパスを選択するなど、連携も非常に悪かった。勝てたことだけが収穫だった。

 

そして準決勝で桐蔭学園戦。春の再現だけは避けたいという気持ちで見てた。立ち上がり五分の印象だったがインターセプトからの失点は痛かった。相手の方が格上だから、先制点が欲しかっただけに。ただ、ディフェンスはそこまで悪くなくて、少ないフェイズでとり切られるようなシーンはなかった。逆に春ほどオフェンスも通用できず、こちらはFL井上選手が再三突破してくれるものの、いいところでカウンターラックされる、という流れだった。LOの森山選手もよかったけど、今季はFWで圧倒するチームではなかったので、FWでゴリゴリいくこともできなかった。

 

キャプテンの廣瀬選手は多分本調子ではなかったのだと思う。確か怪我あけだったような。以前のようなキレがなくて、何というか、普通の好プレイヤーという印象だった。その影響もあってか、WTB高本選手にいいボールが回らなくて、BK全体の流れるようなパスワークもあまり見られなかった。

 

これで3年続けて優勝を逃してる。3年連続ベスト4。他チームからすると十分以上の成績かもしれないが、東福岡ファンとしては悔しい。同じチームに年間通して負けるのは悔しい。春からは強くなってる。でも勝てなかった。次こそは優勝目指してほしい。がんばれフェニックス。