ラグビー観戦記BLOG

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ラグビー観戦:帝京大学 vs 筑波大学 第51回全国大学ラグビー選手権大会決勝

大学選手権決勝は、50対7の圧勝で幕を閉じた。帝京大学はこれで六連覇である。もはや悔しさもなく、素直に賞賛したいと思った試合だった。

序盤から筑波が得意とするブレイクダウンで勝負をかけ、そのほとんどの局面で競り勝った帝京大学ターンオーバーやリスタートからの速攻でトライを奪うという、FWのゴリ押しに頼ることのない至極スマートなラグビーを終止続けていた。

FW1人当たり10kg重い上に集散が早いともなれば、筑波に対応できる手段はほとんどなかった。筑波側が早くポイントに入っていても、帝京は二人で固まってめくってくる。占部とか本当に良い選手なんだけど、対面との20kg差はデカすぎる。

帝京は後半からどんどん選手を入れ替え、そのリザーブが活躍する好循環。控えに姫野、飯野、徳永、重がいる層の厚さよ。筑波に少し分けてほしい。対する筑波は、前半早々から松下キャプテンが怪我で退くと、そのあとすぐにSHも木村に交代。吉沢は怪我あけだったから、その影響なのか戦術的な交代なのかはちょっとよく分からなかった。後半になって竹中も出てきたが、WTBにまでボールが回ってくる機会もほとんどなく、采配にまで差が出た形となった。

来季もこの強さが続くのであれば、他大学はどう戦えばいいんだろう。二連覇あたりの帝京がやっていたFWでの近場勝負で時間をつぶす戦術とか? それでも帝京のFWに勝てるFWがいる大学は思いつかない。対抗の筆頭としてはどこだ。早稲田、筑波、東海は面子的に今年より厳しい気がする。慶応はどうか。長い目で見ればここが上がってくる気もしている。後は関西勢。特に天理。ただ、どこにせよ、帝京とは1年で差がうまるとは到底思えない。数年スパンで帝京に勝つプランを立てたチームだけが、唯一戦える相手になりそうだ。あるいは帝京Bだね。

上手くなりたい、強くなりたいと思う才能のある高校生が集まり、食事管理も含めどこよりも優れた環境で練習して、謙虚で相手を敬う姿勢を持ち、魅力的なラグビーで勝ち続ける。そして、それを見た高校生がまた集まってくる。

どうしよう。どうなるんだ大学ラグビー。見所は日本選手権だけ、という日が来ないことを願う。